センターについて広報誌・刊行物

子育て世代の生の声 ~みんなどうしてる?~

育児、介護をしながらの、日々の研究活動のシーンでは、いろいろな悩みが生じると思われます。
ここでは、男女共同参画推進センターが提供する情報、部局によるサポートなど、京都大学における現状と事例を共有します。是非みなさまのご意見をお寄せ下さい。

シッターサービスを使ってみた

ニュースレター第88号掲載(2019年11月15日)

 筆者は最初は夫と大阪在住の両親の助けを借りながら子育てと仕事を両立していた。保育園は私の職場及び自宅の近くにあり、他方夫の職場からは1 時間弱かかるため、平日の送迎は私の担当、週末は夫が担当となることが多かった。しかし、息子が年少のときに母が緊急入院し、父は衰え介護が必要になり、負担は一人娘の私にかかった。初めて仕事を辞めようかという考えが頭をよぎった。幸い職場からサポートをいただいて乗り切ることができたが、通常業務に復帰するにあたって、保育のバックアップは必須と考え、同じ職場の人から情報を集めシッターサービスをお願いすることにした。他人を自宅にいれることに対する抵抗感は、「これがないと仕事が続けられない」という切羽詰まった状況によってあっさり消えた。
 最初は、シッターサービス業者とのやり取り、初めてのシッターさんと息子との引き合わせ、など様々な打ち合わせがあり、実際に息子を長い時間お願いできるまでに1 か月弱はかかった。幸い最初のシッターさんには早く慣れてくれたのでほっとした。
 会議や研究打合せなどの会合は主に夕方に入るときが多い。部内の会合は可能な限り日中に行うよう変更を行ったが、夕方から動かせない会合があったり週末には研究会や学会があって、夫の出張や会議と重なるときがある。そんなとき、シッターさんにお世話になった。シッターさんのおかげで,予定よりも遅く帰ってきた夫に腹を立てることもなくなった。
 息子が小学校に上がると、学童保育が6時半お迎え、にも関わらず夫・私共に時間外の業務が増え、週に1・2回はシッターさんお迎え~自宅で親の帰りを待ってもらうパターンが3年ほど続いた。1回につき最低3時間以上、時給2,000円程度(夜間は加算あり)。ご飯が用意できなかった時はコンビニでおにぎりを買ってもらい、シッターさんの交通費もあるので1 回7千~1万円程度、月に4~5万円分をシッター代として使っていた。夫婦のどちらかが泊まりがけ出張の場合は夫婦でカバーできない時間が増えるため数日間続けての依頼となり、さらに数万上乗せ状態であった。最近は息子が高学年になり、シッターさんがいなくても短時間なら一人でやっていけるようになり、また習い事で忙しくなったためシッターさんを頼むことはなくなった。
 センターのおむかえ保育(脚注1)も選択肢ではあったが、私の場合は保育園と自宅の位置関係からは、センターを経由する分タイムロスが大きくなりそうだった。共稼ぎ家庭においては時間は貴重であり、諸要素を考えてベストな選択をした結果が私の場合はシッターサービスの利用となった。シッター業者に制限があったが、クーポンが利用できた(脚注2)。ただ、シッターサービスに関する金銭的補助は、決して十分とは言い難い。仕事を続けていくために一時的とは言えかなりの出費を覚悟する必要があり、その点について夫とはいろいろと話し合った。
 最後にひとこと、夕方を過ぎる会合や研究会では、予定している時間を延長しないでいただきたい。ギリギリの時間までシッターさんにお願いして会に参加しているのに、長引いてしまって残念ながら中座しなければならなかった経験が何度かあった。もちろん、延長可能なシッターを私の代わりに手配してくれて代金も負担してくれるというのなら話は別だが。

(脚注1)おむかえ保育は、保護者に代わってシッターが保育園までお迎えに行き、センターで一時保育を行う制度です。学生も利用できます。http://www.cwr.kyoto-u.ac.jp/support/care/proxy/

(脚注2)ベビーシッター利用育児支援は、クーポンを発行してベビーシッターによる在宅保育サービスの利用料金の一部 を助成する制度です。学生は利用できません。http://www.cwr.kyoto-u.ac.jp/support/care/babysitter/

(文責 育児・介護支援事業WG 専用アドレス:ikwg@mail2.adm.kyoto-u.ac.jp)