News Letter 2025.10.31 第122号

「女子高生・車座フォーラム2025」11月30日(日)にオンライン開催

「女子高生・車座フォーラム2025 」を11月30日(日)にオンラインにて開催します。
京都大学がどんなところなのか、学部をどうして選んだのか、大学ではどんな勉強や研究をするのか、などの疑問に現役京大生や研究者がお答えします。
前半は学部ごとのグループワーク、後半は複数学部合同でのグループワークをおこないます。
前半の学部ごとのグループワークでは少人数でじっくりと話すことができます。後半の合同グループワークでは文系と理系に分かれ、複数の学部それぞれの雰囲気や特色を聞くことができます。
全国の高等学校から気軽に参加いただくため、オンラインでの開催とし、遠方の女子高生も参加してもらえるようになりました。リアルな声を聞くことができるこの機会に奮ってご参加ください!
日 時2025 年11月30日(日) 9:30 - 12:30( 8:50よりZoom接続開始) 会 場オンライン(Zoomにて開催) ※先着順、事前申し込みが必要です 参 加 費無料 募集定員女子高校生100名程度/保護者50名程度 申込期間2025年11月16日(日)17:00まで 参加条件や申込方法についての詳細はホームページをご覧ください。
https://www.cwr.kyoto-u.ac.jp/about/activity/kurumaza/
全学共通科目(後期)「ジェンダー論」10 月開講
川島 隆(文学研究科 教授)による全学共通科目「ジェンダー論」が10月より開講します。
現代社会に生きる女性や男性は、その性別(ジェンダー)ゆえに、どのような問題に直面しているのか。その現実に多面的に光を当てるとともに、その歴史的ルーツを探ることにより、日常の中でジェンダーにまつわる問題に気づき、課題解決のための実践ができるようになるための基礎的知識を身につけることをめざした講義です。オムニバス講義のかたちをとり、学内外からゲストスピーカーをお招きして、さまざまな研究分野においてジェンダーが開くパースペクティブを示していただきます。生物学、社会学、法学、歴史学、文学など、多様な観点からジェンダーを考え、特に男性にとってジェンダー問題とはどのような意味をもつのかについても充実させた講義となっています。

KuSuKu設立2周年記念
「夏休み! 親子で楽しむ ものがたりとジャズのコンサート」
「学童保育所 京都大学キッズコミュニティKuSuKu」は設立2周年を迎えました。これを記念して、公益財団法人文字・活字文化推進機構と共催で、「夏休み!親子で楽しむ ものがたりとジャズのコンサート」を7月27日(日)、百周年時計台記念館 百周年記念ホールにて開催しました。当日は、KuSuKuの利用者をはじめ、学内外から親子連れなど約500名が来場しました。
今年は、デンマークの童話作家アンデルセンの生誕220年・没後150年、さらに「浦島太郎」ゆかりの浦嶋神社(京都府伊根町)の創祀1200年という節目を記念した特別プログラムを実施しました。司会は毎日放送アナウンサーで絵本専門士の関岡 香さんが務め、「はだかの王さま」や「とこよのくにのうらしまさん」などの朗読を披露しました。また、パナソニックホールディングス執行役員でジャズピアニストの小川 理子さんによる童謡をアレンジしたジャズ演奏が行われ、音楽と言葉が重なり合う温かな舞台となりました。最後には、アンデルセンの代表作「にんぎょひめ」の朗読とピアノのセッションが披露され、会場全体が静かな感動に包まれました。
参加者からは「お話と音楽がとてもマッチしたコンサートで子どもがとても楽しめました」、「普段なかなか聴くことができないジャズピアノやプロの朗読を間近で体験でき、とても貴重な時間でした」、「子どもがピアノを習ってい
るので、即興やジャズのリズムに触れる良いきっかけになりました」といった声が寄せられました。KuSuKu設立2周年を彩る本コンサートは、子どもたちに新たな芸術体験を届けるとともに、本学のDEIB推進の一環としても意義s深い催しとなりました。
京都大学オープンキャンパス2025 大学全体企画
「ようこそ京大へ! 女性卒業生トークセッション&座談会」
8月8日(金)に国際科学イノベーション棟HORIBAシンポジウムホールにて、「ようこそ京大へ!女性卒業生トークセッション&座談会」を開催しました。これは8月7日〜8日の2日にわたって開催したオープンキャンパスのイベントのひとつで、昨年に続き、男女共同参画推進センターが同窓会組織「京都大学ここのえ会」の協力を得て、女子高校生・既卒生を対象に企画しました。
第1部では、異なるフィールドで活躍中の女性卒業生3名が登壇し、平山 朋子 理事補の進行のもと、和やかにトークセッションが繰り広げられました。来場した128名とオンライン参加の53名に向けて、「どうして京大で学ぼうと思ったのか?」「大学時代に経験して良かったことは?」「京大での学びが卒業後のキャリアライフにどう繋がっているのか?」といった話をされました。参加者にとって、京都という地で大学生活を送ることや、京大の学生として過ごすことの魅力をぞんぶんに感じてもらえる機会となりました。
第2部の座談会は、女子高校生31名、卒業生は、トークセッション登壇の3名に加え、2名が参加し、在学生5名が少人数のグループに分かれて行いました。それぞれ自己紹介をしたのち、参加者から、「どのように受験勉強を進めたら良いか?」「文理どちらに進むべきか決められない」「○○学部の授業内容は?」「起業についてお話を聞きたい」などさまざまな質問があり、卒業生と在学生が丁寧に答える様子が見られました。
京都の銘菓を味わいながら交流した座談会が、女子高校生たちに進路を考えるヒントや励ましを得るひとときとなり、その中から本学を目指す高校生が現れることを期待しています。
KuSuKu夏祭り〜涼しいKuSuKuで夏祭りを楽しもう!〜を開催
KuSuKu夏祭りを親子参加で8月24日(日)に開催しました。
KuSuKuの天井や壁に提灯や子どもたちが作った夏祭りの飾りつけが行われ、射的、お菓子の福引、消しゴムつかみ、スーパーボールすくいなどの屋台も登場し、いつものKuSuKuが夏祭り会場に様変わりしました。
子どもたちは、思い思いに各屋台で景品をもらったり、スイカ割り、的入れゲーム、うちわ工作などをしたり、とても楽しんでいました。
その後、子どもたちみんなで作ったお神輿を担ぎ、最後に、遊戯室で輪になって盆踊りを踊りました。
最近は地域の盆踊りも少なくなっているせいか、初めて経験する子どももたくさんいましたが、子どもたちとスタッフが一緒になって、大盛り上がりの夏祭りとなりました。

令和7年度第2期研究支援・実験補助者雇用制度 利用者決定
令和7年度第2期研究支援・実験補助者雇用制度の採択者は、応募者30名の方に決まりました。
この制度は、育児又は介護のために十分な研究・実験時間が持てない研究者(院生は除く)に対し、研究又は実験をサポートする補助者の雇用経費を助成する事業です。
以下センターHPに、今までの応募状況、助成を受けられた方の声などを載せています。
https://www.cwr.kyoto-u.ac.jp/support/research/assistant/

連載: 研究者になる! -第101回-
白眉センター 人と社会の未来研究院 特定助教 高木 佐保
心理学部に通う大学3回生のころ、保護猫を実家で受け入れることになりました。もともと動物は好きでしたが、いざ、いっしょに暮らしてみると、「なんてかわいいんだ!」。予測不能なネコの愛らしさに骨抜きにされてしまったのです。卒論のテーマを決める時期でしたから、「この子がなにを考えているのかを知りたい!」という気持ちから、動物の認知機能を分析し、進化の秘密に迫る比較認知科学の世界に足を踏み入れました。
ラットなどの実験動物の研究で学問のイロハを学んだあと、京都大学の文学研究科心理学専修に進学。決め手は、心理学専修で扱う動物種の幅広さです。そもそも京大にはありとあらゆる生きものの研究者がいます。他大学で「ネコの研究者です」というと不思議がられることも多いのですが、京大では「ああ、ネコか」。異端にならずにいられる居心地のよさがうれしかったです。
ネコたちは世界をどう見ているのだろう
ネコ研究の本格的なスタートは、研究室の「ネコ好き」の仲間と「CAMP(Companion Animal Mind Project)-NYAN」を立ち上げたこと。研究室で、イヌを対象にすでに実績のある「CAMP-WAN」を参考に、ネコの心の動きを追いはじめました。
私の研究手法の特徴は、実験室ではなく、協力者のご自宅や猫カフェなど、ネコが暮らす場所に足を運ぶこと。ネコは慣れない環境では臆病になる動物。まさに、ことわざ「借りてきたネコ」の姿になってしまうのです。普段どおりの姿を捉えるには、リラックスした環境での実験が欠かせません。飼い主の声や顔、同居する他のネコの名前を認識しているのかという音声・言語の認知能力を実験して、ネコたちがこの世界をどう認識しているのかをあきらかにしたいのです。
たとえば、ある実験では部屋のあちこちに設置したスピーカーから、飼い主が名前を呼ぶ音声を流します。ネコにとっては、「そこにいる」と認識したはずの飼い主の声が、つぎの瞬間、別の場所から聞こえてくる。このときに「驚き」の反応を見せれば、ネコが飼い主の場所を想像・認識していたと推測できます。ネコの反応を科学的に計測して、ネコの心に迫っています。
公私を支える2匹の大切な相棒
公私ともに大切な存在が、ともに暮らす2匹の猫「みかげ」と「くらま」。日々のお世話のなかに研究のヒントを見つけることも。ネコは人間の言葉を理解するといわれますが、私が「みかげ」と呼びかけると、2匹ともふり返ることがあるのです。研究者の性かもしれませんが、そうしたふるまいを前にすると、「理解しているってほんとう?」と(笑)。
これまでに関わったネコの数は1,000を超えます。生きもの相手の実験は、こちらの思いどおりには進まないことばかり。実験を重ねてもなお、ネコのことはわかった気がしません(笑)。最近では、ほかのネコ科動物やヒトの乳児との発達過程や行動の比較も進めています。ネコの進化の過程に、認知機能を紐解く鍵があるはずだと、さらに掘り下げてゆきたいです。
大学院に進学するとき、両親から大反対されたんです。でも、人生は一度きり。そう思うと自分の心に従うほかありませんでした。自由気ままなネコの姿を見ていると、「こんなふうに生きたいな」と思います。心のままに邁進するからこそ、立ち向かえた困難もあります。みなさんも一度きりの人生、ネコのように思うままに、みずからの道を歩んでください。
