キャリアストーリーを知るOG社会人インタビュー

人の役に立ちたい、喜ぶ顔が見たい。
それが学生生活を通して気づいた私の価値観。

村上 宥 MURAKAMI Yu

工学部 建築学科 卒業
大学院工学研究科 修士課程 修了
大阪府 四天王寺中学・高等学校 出身
東京建物株式会社

自分のインスピレーションを信じて受験
中学生の頃はあまり成績がパッとしなくて、順位は下から数えた方が早いくらいでした。そんな私も、友達の影響で行き始めた学習塾のおかげで勉強する習慣がつき、徐々に成績も伸びてきたことでさらに勉強が楽しいと感じるようになりました。友達と学校終わりに一緒に塾へ行って勉強したり、時には息抜きに遊び、また、スポーツが好きだったので体育委員になって体育祭の運営に関わったり、学校生活を存分に楽しんでいました。
大学受験を見据えたとき、習い事や中学受験等、何かにチャレンジする時には必ず自分で選び、そのための努力は厭わない性格だった私には、学生の主体性を第一にしながら様々なことが学べる環境が整っている京都大学は、非常に魅力的に感じました。学部は理数系の科目が得意だったこともあり、工学部に関心を持ちました。私が受験した当時は工学部の中でも学科まで決める必要があったため、海外(特にヨーロッパ)の街並みを見るのが好きだったこと、長くこの世に残るものとして建築を学んでみたいと思ったことから、最初にインスピレーションを感じた建築学科を選びました。具体的に志望校と学部まで決めたことで、試験の形式や出題の傾向を意識した勉強の時間を取るようになりました。また、学習塾では同じように京大を目指す人がいるクラスに入ることで、京大に入る為にはまずはこの中で一番になろう!という意識で、日々の勉強に取り組め切磋琢磨できたと思います。

夏季休暇に行ったスイス旅行

選択の自由。
京大で学んだ全てのことが倫理的な考え方に繋がっている。

晴れて入学した京大工学部。工学部は女性が少ないと聞いていましたが、建築学科は約4分の1が女性だったので想像よりはたくさんいたという印象でした。中高が女子校だったためそれまでと環境は随分変わりましたが、元々小さい頃から男の子に混じって野球やサッカーをして遊んでいたので、抵抗感はありませんでした。学部の4年間は、体育会男子ラクロス部にマネージャーとして所属し、日本一を目標に朝イチ部活、その後授業に出てまた部活、と年中部活に取り組んでいました。就職すればいくらでも仕事はできる、と思いアルバイトはほとんどせず、この4年間にしかできないこと、学業と部活の2本立てでとにかくやり遂げようと決めました。部活を通して学部を超えた様々な人達と出会えたことは私にとって貴重な財産です。一人で何かするより、「人の役に立ちたい」、「喜ぶ顔が見たい」、ということが私の価値観なのだと気づくきっかけにもなりました。また学業では、希望していた建築学科で構造分野の研究に出会い、解析や理論を通して地震の揺れや被害を抑えるための手法を提案する構造力学の研究室を選択しました。海外の学会にも参加するという貴重な体験もでき、地震の多い日本ならではなのか、この分野においては日本の研究が非常に進んでいると感じることができました。
京大の良いところは、まずは人。京大には地方出身の人が想像していたよりも多く、色々なキャラクターの人、自分の想像を超える様々な価値観や創造力、エネルギーを持った人たちと出会えました。さらに学問。高校生の時には各教科の問題を解くことが勉強だと思っていましたが、大学では強制ではなく選択の自由があり、様々な分野を専門とした研究に出会うことができました。

ラクロス部で全国学生選手権決勝に出場

「自分はどうしたいか」「どうするとうまく行くのか」
常に思考を巡らせ責任を意識する

就職活動では、部活のマネージャーをしていたこともあって、人の役に立つこと・貢献できるようなことをしていきたい、その思いを生きていく上で人の生活と切っても切れない建物を通して実現したい、そしてその企画・開発に携わりたいと考えるようになりました。
実現できるのはどういう業界・会社かを広い範囲で検討し、研究と並行してできる限りの時間を割いて説明会や社員の話を聞く時間を作り、自分で見る・聞くを通して納得できる業界・会社へと絞りました。その際にも一番重視したのは自分自身のインスピレーションでした。後悔しないためには自分自身で判断することが重要だと考えていたからです。
その中で、学生と真摯に向き合っている採用担当者や社員と出会いました。昔からチームスポーツに取り組んでいた私は、何ができるかという内容と同じくらい一緒に頑張る周囲の環境が大切だと考えていたため、これだけ”人”に向き合ってくれる社員の中で私も一緒に頑張りたいと思ったのが入社の決め手となりました。
私が所属する「東京建物株式会社」は、総合デベロッパーと呼ばれる不動産会社で、賃貸オフィスや分譲マンション、商業施設など様々な用途の建物を開発する会社です。現在私は東京駅目の前の再開発事業に携わっており、数年後の竣工に向けて、日々地元権利者の方々や設計者・施工者の方々と打ち合わせをしています。このプロジェクトに携わるようになって1年。まだ私は一担当者でしかありませんが、いずれこのような大きなプロジェクトで自分が中心となり、進めていく力をつけたいと思っています。

上司・同僚からの一言

大塚 裕司さん
都市開発事業部 事業推進グループ・グループリーダー

村上さんは、再開発事業の推進業務を担当しています。メンバーの中では若手ながら、先 輩社員のサポートではなく、プロジェクトの中心メンバーとして活躍する姿を頼もしく見 ています。また、プロジェクトを進めるなか、業務の取りこぼしが発生することもあります が、そういったときに、村上さんがフォローする場面をなんども見てきました。多忙なな か、なにごとにも自分ごととして業務に取り組む姿勢は、周りに刺激を与えています。性 格も明るく、親しみやすいため、ときには上司や先輩社員をからかいながら、その場の雰 囲気を和やかにしてくれます。今後も、たいへんな業務がつづくと思いますが、都市開発 の中心メンバーとして活躍しつづけることを期待しています。

~大事にしている時間~

年に数回しか帰省できませんが、実家の家族は私の人生の大切な支えであり、安らげる貴重な時間です。
普段の朝は、家を出るまでの数分の軽いトレーニングも、体調が整い1日の元気が出るのでお気に入りの時間です。

こうやって勉強してました

センター試験は、高校3年生になってから社会だけ対策勉強、それ以外の教科は基本2次試験を意識した勉強をしました。高校の授業と学習塾の勉強を中心に基礎を固めるようにし、高校3年生になってから各教科を過去問25年分、実際の試験時間を意識しながら解けるようになるまで繰り返し取り組むようにしました。勉強を始める前に、その日何をするかを手帳に書いて、終わったら線を引いて消すことが小さなモチベーションでした。


目標とする大学への入学に向けて後悔し ないように勉強に励むことも大切ですが、高 校生活は二度とないたいせつで貴重な期間 なので、友だちとの時間を楽しくすごして ほしいと思います。京都大学はいつでもた くさんのことを自由に学べます。いまいち ばん関心があることを率直に、大学で学ぶ こととして選んでください。ぜひ、がんばってください。