キャリアストーリーを知るOG社会人インタビュー

これからもずっとマイペース
育児も研究も気負わず続けたい。

谷 百合夏 TANI YURIKA

工学部 物理工学科 卒業
大学院工学研究科 修士課程 修了
兵庫県 北摂三田高等学校 出身
三菱電機株式会社

突然やってきた京大受験のチャンス。
高校時代、思い出すのはただただ部活に励んだこと。県大会常連校の吹奏楽部に所属し、コンクール前は土日も1日中練習、2年生の秋に部長になってからは80名ほどの部員をまとめ、3年生の8月に引退するまでずっと部活のことを考えている毎日でした。なので、3年生の夏休みはもちろん、冬休みになっても引退した安堵からかエンジンがかからず、塾に通うこともなく学校の授業と自主学習をこなす生活を続けていました。国立大学に行きたい、という希望はあったのでセンター試験を受けた結果、思いのほか自己採点結果が良く、そこで初めて「せっかくならレベルの高い大学に挑戦してみよう」と京大受験を目指すことにしたのです。オープンキャンパスには行ってませんが、両親から「京都大学は面白い大学だよ」と勧められたこともあり、残り一ヶ月でチャレンジすることにしました。学部は、天文や宇宙に興味があったため理学部と工学部で迷いましたが、物作りに関わりたいと思い、工学部の受験を決めました。ただ、とにかく時間がなかったので自分で時間を区切って効率よく、放課後にしっかり勉強するようにしていました。今となっては常に授業をしっかり理解し、予習・復習をかかさないよう心がけていたことと、両親が「勉強しなさい」ではなく「浪人してもいいよ」と言ってくれていたことが肩の力を抜き、焦らずマイペースに頑張れた秘訣だったと思っています。

大学時代は興味の赴くまま、いろんなことにチャレンジ。
まず京大工学部に入学して驚いたのは、女子学生の少なさでした。物理工学科では250人中7人という状態でしたが、心配していたような違和感は全くなく、男女問わず仲良くすることができました。1回生の夏からは一人暮らしを始め、物工女子会と称しては数少ない女子学生同士で部屋に集まり、宴会をしたことはとてもいい思い出です。2回生になってからはケーキ屋さんをはじめ、「京都にいるからには着物を着てみたい」という理由で、ふぐ料理店でのバイト、その他にも最大4つのバイトを掛け持ちしていました。そこまでバイトを頑張ったのは、夏休みと春休みを利用してそれぞれ1か月間の語学留学をする、という目標があったからです。留学場所は日本人が多い土地の方が安心だと思い、カナダとオーストラリアに決めました。留学してみるとやはり周りは日本人だらけでしたが、語学の勉強は二の次、とにかく楽しい経験でした。3回生に入って専攻が分かれてからは専門的な授業が増えたため、バイトは控えて学業に重きを置くようになり、4回生で研究室に配属されてからは学業に専念するようにしました。
学業も遊びも存分に満喫した京大、そこで知り合った人たちは色々な方向に飛び抜けている人が多く、尊敬できる人たちばかりでした。そのような人たちに囲まれて6年間過ごすことで日々刺激を受け、自分の成長につなげることができたのだと思います。

課題は仕事と家庭の両立
限られた時間で趣味も楽しみつつ、研究もこなす。

卒業後は研究職に就きたいと考えていましたが、物作りも好きだったため、製品に近い研究ができる「メーカーの研究職」を選びました。三菱電機に決めた理由は、見学の際に社員の方が、面白そうに自分の仕事の話をしてくれたのが印象的だったからです。また色々な製品・技術に関わることができるのも魅力で、所属している先端技術総合研究所では、今ある製品の改良の支援や提案、新しい製品・技術の開発等を行なっています。私は入社以来、人工衛星向けのセンサの開発をメインに担当し、理論解析からシミュレーション、実機での検証を行っています。機械・電気・制御と幅広い分野の知識が必要なため難しいことも多いですが、システム全体に関わることができ、とてもやりがいのある仕事です。また、今年の4月に育児休職から復帰したことで、仕事と家庭の両立が今後の課題となりました。今までと違って時間が限られることも多いのですが、その中でも効率よく業務を進め、この分野では私が1番!と言えるような技術者になることが将来の目標です。
プライベートでは、今は子どもと過ごす時間が癒しの時間になっています。昔からハンドメイドが趣味で、育休中は時間を見つけて子供服や小物を作っていました。仕事に復帰してからはあまり時間が取れていませんが、次は何を作ろうかと考えるだけでワクワクします。

上司・同僚からの一言

柏 宗孝さん
先端技術総合研究所 メカトロニクス技術部 機械動力学グループ・グループマネージャー

谷さんには新しいセンサの研究開発を担当頂いていることもあり、業務では未知の現象に直面する場面が多くあります。そんな時にも一つ一つ現象の要因を分析し、理論的な解析をベースにしながら実機でその妥当性を検証することで、着実に成果を上げてくれています。仕事と育児の両立は大変な点も多いかと思いますが、今後も研究者としての経験を積み上げていき、将来は一流の研究者へと成長することを期待しています。

~わたしの一週間~

平日は5時半起床。朝ごはん、身支度、晩御飯の下準備をして7時半に子供を保育園へ送ったあと、8時半に出社。会社では制御系のシミュレーションや解析等1日パソコンに向かう日がほとんどですが、実験室で実験をする日もあります。あっという間に17時になり退社、子供を保育園に迎えに行き18時半に帰宅後すぐに晩御飯、子どもと少し遊んで寝かしつけてから、片付けと翌朝の準備等を終え10時半頃に就寝します。土曜日は、子どもを夫に任せて1日がかりで1週間分の料理・掃除・洗濯・・・日曜日は、午前中に親子3人で外に出かけ、午後は子どもと一緒にお昼寝をしてまったりと過ごしています。

こうやって勉強してました

普段から授業の予習・定期試験の勉強はきっちりとやっている方だったため、センター試験に向けた勉強は苦手な地理・英語・化学等の暗記科目を中心に行いました。2次試験の対策は各教科一冊ずつ参考書を決め、それを何度もやりこむという方式でした。また、塾などに行っていなかったため自分で勉強の時間割を決め、やる気のある午前中は苦手な化学、眠くなるお昼過ぎからは好きな物理、というように飽きないように工夫もしていました。


とにかく授業はしっかり聞き、定期試験を頑張ること。大学生活は楽しいです。たくさんの人に出会え、何にでも挑戦することができます。私のように将来のことをぼんやりとしか考えていない人も、大学生活の中できっと興味あること、やりたいことを見つけられると思います。焦らず勉強を楽しんでください、応援しています。