キャリアストーリーを知るOG社会人インタビュー

とにかく日本酒が好き
定年を迎える日まで、お酒に関わる仕事をしていたい。

堀田 夏紀 HOTTA NATSUKI

農学部 食品生物科学科 卒業
大学院農学研究科 修士課程 修了
大阪府 四條畷高等学校 出身
月桂冠株式会社

文武両道を目指した高校時代。
高校では学校の勉強もしっかり取り組みながら、中学時代から引き続きソフトボール部に入部し、文武両道を目指して日々を過ごしました。
進学校だったので、基本的に学校の授業や宿題を完璧にこなしていくことで成績は上がっていきました。その頃は、授業中に寝ることは時間がもったいないと思っていたので、授業中は一切寝なかったのが私の自慢です。部活で主将を務めながら部活と勉強の両立を頑張っているうちに、順調に成績が伸びてゆき、高2になった頃には「京大を狙えるな」と自然と思えるようになっていました。実際、高1の時には京大のオープンキャンパスに参加はしたものの、まだ自分には手の届かない大学だとの気持ちの方が大きかったのです。数学や化学、生物が得意で、料理や健康に興味を持っていたこともあり、本格的に農学部の受験に向けて努力するようになったのは、京大を目指す周りの同級生に負けたくない、自分も京大に行きたい、との思いがどんどん強くなったからです。また京大農学部はソフトボールが盛んだということも知って益々、絶対に京大に行きたい!と思うようになり、何としても京大合格を目指すという気持ちでチャレンジしました。

毎朝5時に起床!超朝型生活で部活に明け暮れる日々。
晴れて京大農学部に入学した後はラクロス部に所属し、朝5時に起きて電車に乗り、7時から練習した後1限の授業に出る、という超朝型生活の毎日でした。大学院生の頃にはラクロス部のコーチもしながら、ソフトボール好きの女子チームを作って試合をしたり、有志で京都御所のグラウンドで朝練をしたり、と研究よりもソフトボールばかりしていたことが記憶に残っています。大学の部活は全て自分たち主体で、練習への取り組み方やチームのあり方、コーチやOGの方との接し方など、頭や気を使わなければいけないことが非常に多くあったので、その後社会人として仕事をする上で、とても貴重な経験でした。
学業の方では有機化学の研究室に入り、はじめは植物に含まれる成分の機能性に関する研究をしていましたが、そこから派生した「抗がん剤がどのようなメカニズムでがん細胞に効果があるのか」というテーマで研究するようになりました。
高校生の頃に抱いていた京大生の「賢い人だらけ」「ガリ勉だらけ」、というイメージは普段は全く感じることもなく、本当に素敵な人たちにたくさん出会えました。強い影響を受けた授業も現在の仕事に繋がることになったため、京大は私の人生に関わる様々なものに出会えた場所だったのだと思っています。

学生の頃はあまり好きではなかった研究
今では日本酒の素となる酵母の研究に夢中。

卒業後の進路を考えたとき、農学部で受けた月桂冠の研究所長を招いた集中講義に非常に興味を持ったことと、料理が好きだったこともあり、食品関係の会社で働きたい、と漠然と思うようになりました。そして、結婚や出産をしても働き続けたいという希望もありました。
何社か受けた食品関係のメーカーの中でも、かなり早い段階で月桂冠に入りたい、との思いが強くなり、研究室の先生やOBを頼って月桂冠社員との繋がりを増やし、入社したいというアピールをたくさんしました。月桂冠の総合研究所に入社後は、清酒酵母の育種や、これまでに育種してきた酵母がどのような遺伝的特徴を持っているのか、などを解析しています。クリーンベンチで酵母を扱ったり、遺伝子実験をしていることもありますし、小さいスケールでたくさんの数の清酒を造ることもあります。普段に飲む安いパック酒でも美味しく飲めるように、また淡麗辛口の酒なら酸味を抑えて・・といった様々な要求に応えるため、常に色々な特徴を持つ酵母を準備しています。今の職場では皆が仲良く、京大出身者も多いので、平日は仕事帰りに飲んで帰ったり、休日には一緒に山菜採りや魚釣りに行くこともあります。1日家にいるときは大好きな料理をすることが多く、魚をさばいたり、お酒にあうおつまみを作ったりして、日本酒を楽しんでいます。できれば大好きな地元関西で、定年を迎えるまで月桂冠で楽しく働き続けたいと思っています。

上司・同僚からの一言

石田博樹さん
総合研究所 所長

入社以来、清酒醸造に関する研究業務を遂行し、研究成果を出して、学会発表も複数回経験しています。上司となったのは今年の4月ですが、堀田さんは、研究者に必要な粘り強く頑張りきる力がもともと備わっているところに頼もしさを感じます。今後は、研究業務でうまくいかないこともあると思いますが、うまくいかない時間にこそどうすればブレークスルーできるかを考え抜くことで、研究者としてさらに成長できると信じております。 1つ要望があるとすれば、新聞やニュースをみて、国内外の消費者の思いを学んでほしいと思います。そうすれば、視野も広がり、国内外のお客様の生活にうるおいを提供できる研究業務につながると思います。大学の研究室の後輩でもあり、今後の成長を楽しみに見守っております。

お料理アドバイス

料理でお酒を使うとき、皆さんは「料理酒」を使っていませんか?もしよかったら、パックに入った安いもので十分なので日本酒を使ってみてください。料理酒には塩などの副原料が加えられているので、日本酒を使う方が余分な塩味が付かず、素材のうまみが引き立ちます。ぜひ、試してみてください。

こうやって勉強してました

高校時代は、塾や予備校に日常的には行っていませんでしたが、夏期講習、冬期講習などの京大対策授業は受講していました。センター試験は学校の授業で完璧にカバーできますが、京大の二次試験対策は本屋で買ったテキストや過去問はもちろん、大手予備校の京大模試の過去問などもたくさん解きました。高3の段階ではもう京大しか考えていなかったので、他の大学の対策は全くしていませんでした。


インターネットで検索すれば何でも調べられる時代ですが、やっぱりオープンキャンパスなどの機会を利用して、大学に足を運んでみることが大事だと思います。実際に見ることで、自分がどんな雰囲気のもとで学生生活を送りたいかイメージしやすくなりますし、勉強のモチベーションも上がると思います。