キャリアストーリーを知る男性研究者のワークライフバランス

研究一色の生活に
新しい視点が生まれた
わたしのイクメンライフ

横山 諒

大学院生/理学研究科生物科学専攻植物学系 植物分子遺伝学研究室

 

植物の不思議さに魅せられて
光合成の研究の道へ

専門分野は、植物分子遺伝学です。植物が効率よく光合成をするために必要なタンパク質の研究や、いかに効果的に光を集めて光合成を行っているかを、多面的に研究しています。
春になればいっせいに桜が開花し、秋になると紅葉する、とても不思議で印象的な光景ですよね。むかしから植物が好きでしたから、植物ならではの現象である光合成を研究対象としました。毎日の食卓には野菜や肉が並びますが、肉となる生き物たちは植物を食べている。いわば植物はわたしたちの暮らしを支える源です。いずれは作物の生育を良くしていけるような研究をしたいと思っています。

驚くほどの成長ぶりに感動!
時には離乳食づくりも

研究者である妻と結婚したのは2年前の春。日本学術振興会特別研究員に採用され、収入の目途が立たったときでした。娘はようやく10か月。育児や家事について、特別に夫婦で分担を決めていませんが、京大の保育園への送迎はわたしの役割です。妻の勤務先にも保育園はありますが、子連れの通勤ラッシュは大変ですよね。ですから、わたしが送迎担当。結婚前まで料理をしたことはありませんが、妻に教えてもらいながら、時には離乳食もつくっています。
わたしたち夫婦にとって、育児は初めての経験。妻には夜間の授乳などでしんどい思いをさせましたから、できることはやってこうと思っています。
最初はぎごちなかったおむつ替えや授乳後のゲップも、いまでは手慣れたもの。育児が大変というより、驚くほどの成長ぶりがとても楽しく、毎日が新鮮です。休日には水族館や植物園に出かけたり、自宅で子どもと遊んだりと、穏やかであたたかい家族生活を満喫しています。

働くママの悩みはパパの協力で、その多くを解決
わたし自身も赤ちゃんをもつまでは気にもかけていなかったことに、気づかされるようになりました。たとえば、ベビーカー。道路に段差があったり、人どおりが多かったりするときには、お手伝いすることもあります。反対に、赤ちゃんを抱いて病院に行ったり、バスに乗ったりすると、周囲の人たちが温かい言葉をかけてくれます。子どもをもつことで、いろいろな景色や人のやさしさが見えてくるようになるのですね。
働く女性が出産すると、いろいろなことがあるかと思いますが、女性の悩みの多くは、男性が気を使うことで、簡単に解決できると思います。たとえば、早く帰ってきた夫が夕食を作ったり、夜泣きをしたときに、赤ちゃんをあやしたり……。ささやかなことですが、そんな心配りをすれば、女性はその分、ちゃんと仕事をすることができます。
家族にはそれぞれの暮らしぶりやスタイルがあるかと思いますが、夫婦が協力し合い、育児や仕事、そしてやりたいことを、楽しんでください。

学内および公的制度やサービスの活用
男女共同参画推進センター内の「保育待機乳児保育園」を活用しています。
やさしい保育士さんや同じような月齢の赤ちゃんに囲まれて、スクスク成長しています。
ことしの春からは、京都市の保育園に入所予定です。