MY STORYNo,22

GRADUATE

卒業生

Yuki
Kawachiya

河内谷佑季
ダイキン工業株式会社
工学部 卒業、工学研究科修士課程 修了
大阪府 清風南海高等学校 出身

INTERVIEW

高い壁にも
まずは体当たり!
がむしゃらな挑戦で
拓いた道は、
快適な空気を待つ
人たちに通ず

難題に出くわすと、まずはおそれずぶつかっていくタイプです。その猪突猛進さを評して、大学時代に指導教官から言われたのは、「河内谷さんは細やかさを身につければ、鬼に金棒」(笑)。ゆえにミスは数えきれないほどしてきましたが、そんな性質を見抜いて受け入れてくれた先生や先輩のおかげで、思う存分研究に没頭できた大学生活でした。
学生時代の専門は無機固体化学。ナノ粒子でつくった構造にレーザー光を照射し、どんな現象が起こるのかを調べていました。光が散乱したり吸収されたりする現象を応用して、照明器具などへの実用化が期待される分野です。ナノ粒子をほんのすこし操作するだけで、光の特性がガラッと変わるのが楽しみの一つ。真っ暗闇の中、レーザーの光だけを頼りに作業します。明るい時間から暗室にこもり、実験が終わって外に出ると、空は真っ暗という毎日でした(笑)。

化学からメカニックへ。畑違いの分野で挑戦

アカデミックの世界に後ろ髪を引かれながらも、みずからの研究が商品として消費者に届く実感を求めて、メーカーの研究職を軸に就職活動をしました。私のめざす実用化に向けた研究開発ができそうなこと、地球の課題に貢献できることに惹かれて、空調機メーカーのダイキン工業に入社。現在は、空港やスタジアム、大規模工場などに設置する大型の空調機を扱う部署に所属しています。担当は、空調機の心臓ともいえる圧縮機の開発です。
学生時代の分野は化学で、扱うのは目に見えない小さな粒子。大きな機械を扱う仕事とは畑違いですから、入社当初は体当たりでぶつかるしかない状況でした。でも、壁は高いほど燃えるタイプ(笑)。分野は違えど、大学時代に築いたスタンスが私を味方してくれました。なにごとも決めつけてしまわず、無理だと思っても、とにかくやってみる・考えてみること、頑固にならず柔軟に考えること。挑戦の先にこそ楽しさが待っているとなんども経験しているから、迷わずぶつかってゆけました。

研究にいきづまったら、研究室メンバーと話したり、どこかに出かけて息抜きしました。大雪が降った日には、研究室メンバーとキャンパスで雪遊びをしたのもよい思い出です

快適な空気を、世界の人たちに届けたい

所属するテクノロジー・イノベーションセンターの理念は、ダイキン工業独自の技術力を磨き、差別化技術を創出すること。大型の空調機は海外需要が高いので、海外出張も多いです。急速な経済発展で空調の整備がまにあっていなかったり、寒暖差の激しい過酷な気象条件であったりと、地域ごとに空調に求める機能はさまざま。実際に地域を訪ねて、地元の実情を聞いたり、期待を耳にすると、快適な空気を求める切実さを身にしみて感じ、「のんびりしていてはだめだ」と背筋が伸びるんです。プレッシャーも糧にしながら、勢い緩めず走りつづけたいです。
ルールに縛られて窮屈だった高校時代の反動で、自由を求めて京都大学に入りました。大学は自由で、やりたいことに没頭できました。でも、自分で動かなければ望みは叶いません。この先の未来もどうなるのか、だれにもわかりませんが、京大で身につけた思考力と実行力を手に、どんな世界でも力強く、私なりの筋道で歩んでゆける人になりたいです。
京大をめざす高校生のみなさん、高い壁を見上げて途方に暮れる日もあるでしょう。でも、挑もうとするあなたは偉い! その挑戦は、一生ものの力になると保証します。

イタリア出張の業務後にトレビの泉につれていってもらいました。たまたま修復中で、貴重な時期の写真が撮れました(笑)

COLUMN

休日のすごし方

数年前から韓国ドラマにハマっています。
ロケ地めぐりをかねて、年に2〜3回は韓国旅行をしています。お気に入りのドラマは『トッケビ』。写真は『トッケビ』に出てくる書店の前で撮影しました。

Recommend高校生のみなさんに手に取ってほしい作品

『キングスマン』 マシュー・ヴォーン 監督

表の顔は英国紳士、裏の顔は世界最強のスパイ組織「キングスマン」の活躍を描いた映画です。紳士のふるまいをたもって敵と戦う姿がかっこいい! 紳士の装いや備品を武器にしたスマートな戦い方もおもしろいんです。行き詰まったときに観るとスカッとします。むずかしいことを忘れて楽しみたいときにおすすめです!