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子育て世代の生の声 ~みんなどうしてる?~

育児、介護をしながらの、日々の研究活動のシーンでは、いろいろな悩みが生じると思われます。
ここでは、男女共同参画推進センターが提供する情報、部局によるサポートなど、京都大学における現状と事例を共有します。是非みなさまのご意見をお寄せ下さい。

研究者の妊娠・出産・復帰その③ いつから復帰する?

ニュースレター第102号掲載(2022年5月25日)

 前回のコラムにおいては、産前休暇をいつから取得するかを扱いました。産前休暇の取得時期が決まったら、復帰時期の予定も職場に伝えておくことが通常です。また、産休・育休中においても職場とのやりとりが必要な場合に備えて、職場の連絡窓口となる関係者との間で、双方に負担にならない連絡方法について相談しておくとよいでしょう。
 どのタイミングで復職するのが保活との関係で望ましいかは、保活情報交換会でも毎年話題になる点です。保育園にいったん入園した園児は持ち上がっていくので、希望の保育園において、0歳児のクラスの入園者で定員に達し、その園児たちが持ち上がった1歳児クラスで定員の拡張がなければ、1歳児になってからその保育園には入ることはできません。また、年間の保育計画や人員配置との関係で、4月入所に向けて一斉に園児を募集し、年度途中で新たな園児を受け入れない保育園も少なくありません。自治体が公表している「待機児童数」には、特定の保育園を希望しているために他の保育園の入所決定を辞退した場合が算入されていないことが多く、待機児童数ゼロの地域でも、希望する特定の保育園に入園できるとは限りません。そのため、確実に希望の保育園に子どもを入園させるためには、育児休業を早めに切り上げ、子どもが0歳4月になるタイミングで復職することが多いのが現状です(注1)。もっとも、最近では、育児休業を長く取得したいという保護者のニーズに応え、1歳児クラスで園児を追加募集する例も増えてきており、また少子化の影響で0歳児クラスに空きがあることも多くなってきました。保育園に関する情報は、保育園がある地域を管轄する区役所・市役所等の担当部署で得られるので、妊娠したら、あるいは引っ越し先を考える際には、早めに情報を収集することをおすすめしています。
 研究者には、早く研究に復帰したいという人も多く、特に産休・育休中に研究費の支給が停止している場合には0歳児4月を待たずに復職せざるを得ないこともあります。年度途中入所が難しく、希望する認可保育所に入所するために0歳児4月になるまで待たなければならない場合には、本学の待機乳児保育室の利用をご検討ください(注2)。
 出産後最初の1年は、子どもの夜泣きもあり、保育園に持って行く冷凍母乳の搾乳を夜間にすることもあり、十分に寝られないことも珍しくありません。第一子のときには離乳食の準備や予防接種のスケジューリングなども初めて体験します。研究費を使用するためにやむを得ず早めに復職しても、身体を十分に休めたり、幼い子どもの世話をしたりする時間を確保したいと思うこともあるでしょう。そのような場合の選択肢として、業務に従事する時間を限定する育児部分休業などが利用できる場合もあります。しかし、育児部分休業を取得すると給与が一部減額される上、教員が育児部分休業を取得する場合は裁量労働制の適用除外となり、始業・終業時刻を含む勤務時間が拘束されることになります(例えば、勤務時間の一部に勤務できない場合は年次休暇等の申請が必要となります)。したがって、部局の事務担当と十分ご相談の上、自分の希望にかなう働き方かどうかを見極めましょう。仕事の内容(例えば在宅勤務に適した内容など)や業務のスケジュールを調整しやすい場合には、フルタイムで復職しつつ、徐々に産休・育休前の仕事のペースに戻っていくことができる場合もあります。
 学生が妊娠・出産した場合には、産休・育休を取得することはありませんが、場合によっては、休学期間を決める必要があります。本学においては、授業料の納入のタイミングの関係上、「前期」「後期」の半期単位で休学することが多いようです。ひとまず半期の休学を申請し、後日、休学延長届を提出することも可能ですが、提出を忘れると授業料が発生しますので、事務的手続の締め切りも必ず確認しておきましょう。長期履修制度(注3)の利用についても、指導教員と相談するとよいでしょう。

注1)2022年4月以降の育児休業等の制度の概要については、下記をご覧ください。パンフレット「京都大学における育児・介護の支援制度」https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/about/gender-equality/07

注2)https://www.cwr.kyoto-u.ac.jp/support/care/nursery/

注3)コラム「長期履修制度①②」
https://www.cwr.kyoto-u.ac.jp/column/mina/mina008/ https://www.cwr.kyoto-u.ac.jp/column/mina/mina009/

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