数字で見る女性研究者
京都大学の女性研究者・女子学生の状況
1.教員数の経年変化と女性比率
(分析データ:京都大学概要2019)
2004年までは、保田その氏の作成データ(京都大学女性教員懇話会2005 年度ニュースレターNo.2)による
2019 年5 月1 日現在の京都大学の教員数(助手2 名を含む)は、全体で2,711 名である。そのうち女性教員は全体の10.4%、 数にしてわずか279 名である。2006 年は7.3%だったので、この12 年間で3.3%増加している。女性教員数が目立って増加の傾 向を見せてきたのは、2000 年頃からである。図1に1952 年以来の女性教員の推移を示す。
図1:1952年以来の女性教員の推移
職階別に男女比を見ると、女性は総数が少ないのでどのポストでもわずかだが、その中でも、教授ポストの女性比率が特に少なく、7.7%しかない。准教授ポストでは10.6%、講師では13.1%、助教・助手では13.5%が女性である(図2)。
図2 教員の職階毎の男女比(2019 年5 月1 日現在)
図3 の職階分布からわかるように、男性では教授(38.3%)が最も多く、女性では助教・助手(34.8%)が最も多い。
図3:男女別教員の職階分布
表1 に男女別教員数(「定員」)を示す。女性がいない部局は載せていないが、総合計は総教員数である。
2.女性研究者の雇用形態
(分析データ :総務部資料 2019 年5 月1 日)
表2に示すように、本学には女性研究者が約933人いる。プロジェクトなどの雇用でない、いわゆる“定員”の教員は279人、残り654人が種々のプロジェクトなどで雇用されている任期つきの研究者である。表2にその職種、職階分布を示した。表2で常勤というのは、勤務形態は定員と同じだが雇用形態が例えば、准教授(産官学連携)というように職名に財源の由来が付いている任期付きのポストを示している。非常勤というのは、勤務形態が非常勤で雇用の財源はいろいろである。例えば「最先端研究」などである。
3. 女性教員の部局別・職階別分布
表3 に全部局の職階別女性教員数(2019 年5 月1 日現在)を示す。
(分析データ:総務部資料2019 年5 月1 日)
4.女子学生の状況
(分析データ:総務部資料2019 年5 月1 日)
2019 年5 月1 日現在の京都大学の学部生数、大学院生数、女性比率を表4 と表5 に示す。1946 年からの女子学生数とその
比率は図5 にある。
学部学生の女性比率は全体で22.3%と、教員と比較するとかなり高い。医学部(4 年制)では、67.7%、薬学部(6 年制)では
51.2%、文学部、教育学部は、約40%が女子学生である。工学部は教員と同じく低く、女性比率9.7%である。大学院では、修士課
程から博士課程に進むに従って、女性比率が、25.3%から29.8%へと高くなる。しかし、図6 に示したように教員への道は細いパイ
プになっている。
図5:1946年からの女子学生数とその比率
※2.「女性研究者の雇用形態」(表2、図4)、3.「女性教員の部局別・職階別分布」(表3)は、総務部(2019 年5 月1 日現在)より作成。その他は、京都大学概要2019(2019 年5 月1 日現在)より作成。 総務部データと京都大学概要では、集計上の事情によって女性研究者総数で数名の違いがある。また、作図にあたり四捨五入している。