京都大学男女共同参画推進センター / Kyoto University Gender Equality Promotion Center

コラム

みんなどうしてる?


育児、介護をしながらの、日々の研究活動のシーンでは、いろいろなお悩みが生じると思われます。
ここでは、男女共同参画推進センターが提供する情報、部局によるサポートなど、京都大学における現状と事例を共有します。

 
特集記事

小1 の壁 その① 学童クラブと小学校生活

女性登用が進んでいるある大企業で、子育て中の社員が仕事と育児の両立の困難を感じ、職場のサポートが不可欠となる時期について調査したところ、それは、①つわりがひどくなる「妊娠2〜4 ヶ月」の頃、②子どもが夜泣きなどをする「職場復帰から2 歳になるまで」、そして③子どもの生活スタイルが大きく変化する「小学校入学直後」であったそうです(注1)。そこで、今回は、組織的なサポートにつながることを期待して、③、通称「小1 の壁」を取り上げたいと思います(注2)。

保護者が就労・就学をしている小学生の多くは、放課後や長期休みを学童クラブで過ごします。地方公共団体が主催する学童クラブは安価ですが、保育所と同様に待機児童問題が存在します (注3)。学校ごとに学童クラブが指定されている場合もありますし、選択の余地があっても、自宅や学校から子どもだけで通えるところは限られます。他方で、小学校と連携関係にある学童クラブでは、急な休校等でも臨時に午前中から開放してくれるなど組織的に対応してもらえることもあります。

学童クラブは、利用時間が保育所より短いことが多く、従来の通勤・通学時間のままでは、夕方、子どもたちが一人で過ごす時間が生じることがあります(小学校の登校時間次第では、朝も一人で過ごさなければなりません)。通常、子どもが自分で帰る(あるいは集団下校をする)のは比較的早い時間帯に限定され(例えば、17 時)、それ以降は保護者のお迎えが必要になります。下の子が保育所に通っている場合、職場、学童クラブ、保育所の間に無理のない動線をひくことが、生活を回すのに重要です。給食がある保育所とは異なり、学校の給食がない長期休みにはお弁当が必要で、卒園した翌日からお弁当生活になります。

保護者が就労者であることを前提に行事を組む保育所とは異なり、小学校の各種の行事(入学式も)やPTA 活動の多くは、共働き世帯が多くを占めるようになった現在においても、平日の日中に行われます。学校からは毎日宿題が出され、持ち物の確認や勉強のサポートへの親の支援は当然のこととして織り込まれています。保育士と密にコミュニケーションをとれた保育所とは異なり、小学校から普段の子どもの様子を聞くことは難しく、行事や持ち物の連絡は山のように配付されるプリントだけであったりします。

子どもも親も疲れて帰宅し、食事、お風呂、宿題、明日の準備でヘトヘトになったところに、ランドセルの奥から、「○月×日(明日!)松ぼっくりを10 個学校に持ってきてください」と書かれたプリントが出てきて、夜の公園に拾いに出かける、といった事態も起こります。

子どもが小学校に入学する前後には、どのような家庭でも新しい生活のリズムに慣れるために精神的・時間的なゆとりを必要とします。柔軟なスケジュールが組めるよう、気軽に相談できる環境作りを管理職・指導教員は心がけたいものです。次回のコラムでは、具体的にどのように小1 の壁に対応しているか、体験談をご紹介したいと思います。

(文責 育児・介護支援事業 WG 専用アドレス:ikwg@mail2.adm.kyoto-u.ac.jp)

1 石塚由紀夫『資生堂インパクト』(日経経済新聞出版社、2018 )「第1 章 子育てを聖域にしない 3. 3 人の精鋭チーム」参照。
2 以下の記事には、職場の上司が知るべき「小1 の壁」の情報がまとめられています。
 https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/after-school-activity/
3 年度ごとに申込みが必要な学童クラブは、低学年の児童が優先され、学年があがると入りにくくなることもあります。