京都大学男女共同参画推進センター / Kyoto University Gender Equality Promotion Center

コラム

気がついたら歩んでいた研究者の道。今は研究と育児で毎日フル稼働中。

医学研究科 助教 / 鳥井 美江( TORII Mie )

    • 三重大学医学部卒業
    • 同大学大学院医学研究科医科学専攻修士課程修了
    • 同大学院医学研究科生命医科学専攻博士課程修了
    • 京都大学医学部附属病院看護師(三重大学大学院医学研究科リサーチアソシエイト)
    • 京都大学学際融合支援センター(LIMS)特定助教
    • 同大学大学院医学研究科助教
研究テーマ:
自己免疫疾患患者におけるサルコペニア、フレイル、カヘキシアのリスク要因と生化学評価法の確立

受験・部活・イベントで充実した学生生活を満喫

 進学した高校は入学直後から大学受験に向けた授業が詰め込まれており、夏休み、冬休みには奈良県吉野の山奥で合格するまで就寝できない学習合宿があるなど受験勉強一色でした。高校3年間は同一クラスで、クラスメイトと勉強したり遊んだり大半の時間を一緒に過ごしました。高校時代苦楽を共にした友人達とは進路は様々ですが、今でも年に1回は担任を囲んで飲み会をしています。大学進学後は、受験勉強から解放された反動で、学業よりも課外活動を満喫する日々を過ごしました。部活は医学部ゴルフ部と留学生支援サークルに所属し、毎月1日には朝4時から伊勢神宮に向かい、名物の朔日餅と月替わりの朝粥を食べ、1限目の講義は睡魔と戦うのが習慣でした。留学生支援サークルでは、いろいろな国の留学生とホームパーティなどで交流し、仲良くなった友達の国を訪ね歩きました。また、奈良県の伝統行事・観光協会のイベントや、大阪今宮戎神社の福娘としてオリンピック招致活動や宝恵籠行列、十日戎に参加するなど、学外の方々との交流を通して多くの貴重な経験をする機会をいただきました。大学生生活を十分に満喫した後、卒業論文(ICUにおける褥瘡発生リスク)に取り組む中で『褥瘡(炎症)はどのように起こるのか?』ということに興味を持ち、大学院への進学を決めました。当時の三重大学看護学科は博士課程がなく、進学に臨床経験が必要だったことから、修士博士と一貫して学べる医学系研究科に進学し、免疫学を専攻しました。大学院では実験動物を用いて抗酸化因子チオレドキシン(TRX)の気道炎症抑制メカニズムについて研究し、医学博士号を取得しました。

患者さんに還元できる研究を目指して

 博士課程修了後は、京大附属病院の免疫膠原病内科に看護師として就職する一方で、母校のがんワクチン治療学講座のリサーチアソシエイトとして研究活動を継続し、TRXの大腸発がん抑制メカニズムについて研究していました。基礎医学研究はとても楽しく充実していたのですが、免疫膠原病内科の患者さんの日々のケアを通して、患者さんの苦労や思いに触れ、患者さんが少しでも楽に病気と付き合っていくには何が必要かと考えるようになり、ヒトを対象とする研究をしてみたいという気持ちが強くなってきました。2年半ほど兼業生活を送ったのち、縁あって京大学際融合支援センターの特定助教に採用され、サルコペニアやフレイルなどの老年医学分野の研究室で研究中心の生活をすることになりました。着任後は病院で一緒に働いていた先生に関節リウマチの共同研究に誘われ、関節リウマチ患者におけるサルコペニアについて研究するようになりました。大学院進学時は研究者になる事は全く考えていなかったのですが、目の前にあることに夢中になり、気がついたら研究者の道を歩んでいました。現在、リウマチセンターが実施しているKURAMAコホートで約500名のリウマチ患者さんを対象に測定や問診などを行っています。辛い症状を抱えながら研究に毎年協力してくださっている患者さん達に心より感謝し、関節リウマチをはじめ自己免疫疾患を抱える患者さんの日常生活に少しでも還元できることを目標にしています。

恵まれた環境のもとで研究と家庭を両立

 3人の未就学児を抱えての毎日は本当に忙しくて大変ですが、家族との時間は息抜きにもなり仕事にも張りがでます。週末は単身赴任の夫の4日分のお弁当を作りつつ、平日分の夕食の下ごしらえ。掃除は平日の負担を減らすように土曜日に全部済ませ、家電をフル活用。子どもの保育園の用意も週末に1週間分まとめて準備しておきます。このような感じで毎日があっという間に過ぎていきますが、朝と晩に1回以上3人の子ども達を抱きしめるようにしています。夫とはお互いの研究の話をすることも多く、平日も毎晩電話で話し子供の成長を共有しています。週末は夫が率先して家事(料理以外)や育児をしてくれますので精神的にもとても助かっています。職場では、上司や共同研究者も育児をしながら研究しているため、仕事以外の相談もしやすく、環境は非常に恵まれていると感じます。正直なところ、自分ひとりでは回りませんので、両親には子どものお迎えや出張時のサポートをお願いすることもあります。みんなにサポートしていただき成り立っている生活ですので、サポートしてくれる方々への感謝を忘れず、家族との時間も大切にしながら、今まで以上に教育や研究に取り組むことを目標としたいと思っています。

 


週末の家族の時間
週末は家族でお菓子作りや庭で泥遊びをしています。母の日には子どもから、家族全員の顔を描いた絵をプレゼントされ、家族の時間を大切に思ってくれているのだと実感しました。

 


Refa
クリスマスに夫に買ってもらいました。毎日子育てに追われ、自分の事は後回しになっていましたが、今年こそは出産前の体型を目指し、運動して減量に励みます・・・

 

 

 


私は高校時代の成績は良い方ではなく理想と現実に悩んだこともありました。学生の頃は試験の点数で他人と比べてしまいがちですが、自分のやりたいことや目の前にある課題を大切にして一生懸命取り組んでいたら道が開けることがあるかもしれません。

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