京都大学男女共同参画推進センター / Kyoto University Gender Equality Promotion Center

コラム

画像診断で医学に貢献したい。真実を見極め、最適の医療を

医学研究科 特定助教/三宅 可奈江(MIYAKE Kanae)

  • 京都大学医学部卒業
  • 京都市立病院放射線科 研修医・専攻医
  • 滋賀県立成人病センター放射線科 医員
  • 京都大学大学院医学研究科博士課程修了
  • スタンフォード大学放射線科 客員助教
  • 洛和会音羽病院放射線科 医長
  • 京都大学医学部附属病院放射線診断科 特定病院助教
  • 京都大学大学院医学研究科高度医用画像学講座 特定助教
研究テーマ:
画像診断全般:乳癌のPETとマルチモダリティーイメージングなど

尊敬できる医師との出会い

自身の半生を振り返ると、私にとって「病気」は常に目の前に立ちはだかる大きな壁でした。幼少期の頃に大病を患い、長い間通院・入院を繰り返す日々。また、医学研究者であった父が病に倒れ、若くして他界しました。家族にとって何ともし難い苦難をもたらすのが病気であり、看護する母や家族の心配・不安は相当なものであったと記憶しています。
ただ、幸いにして、私の病は医療の進歩のお陰で劇的に改善するのです。高校生の時に私の人生の導となる医師に出会い、当時最先端であった治療を受けることができました。手術の可能性もあった状況でありながら、低侵襲的に半日で済んでしまった治療。医療技術の進歩の恩恵を身をもって感じた瞬間でもありました。
医療には限界もあるが、絶望を希望に変える力がある。そう確信した私は医師になることを志し、そして主治医の出身であった京都大学を目指すようになりました。
地元の岐阜県の公立高校を卒業した後、京都大学医学部に入学。そこで出会った友人達は個性豊かで、とにかく刺激を受ける毎日でした。医学部100人中、女子は約1割のマイノリティーでしたが、お互いを尊重できる関係で、学年全体も和気藹々とした居心地のよい場所でした。部活動はバトミントン部を選択。そこで、平日日中も部活に励む当時の京大らしい大らかな精神を学びました。

研究テーマは画像診断

現存する最適な治療の恩恵を被るには正確な診断が大前提です。ですが世の中には多様な疾患があり、同じ疾患でも個人によって表現型も程度も様々なため、実臨床では速やかに正しい診断にたどり着くのはしばしば困難です。私は日進月歩の技術の詰まった画像診断で診断の道を切り開くことを決意しました。
画像診断はこの半世紀で急速に成長した医学分野であり、今や多くの疾患において主要な診断手法となっています。放射線科医は患者のマネージメントを支える縁の下の力持ちとして重要な役割を担います。
私は医師となった最初の年から臨床、研究の両側面から画像診断に向き合ってきました。不器用な自分が両者を追求するのは平坦な道のりではありませんでしたが、随所随所で様々な方から温かいご支援や刺激を頂き、その方針は変わらず今に至っています。これまで従事してきた研究の中で主なものに乳房専用PET装置の研究がありますが、米国スタンフォード大学への留学、そして核医学会での国際交友を深めるきっかけとなりました。
スタンフォードでは、米国の乳癌画像診断から自国との相違と普遍性を知り、幅広い視野を養うことができました。初めてEditorとしてレジデント向けの英語書籍の執筆をさせていただいた事も大変嬉しいことでした。また、自ら企画した国際共同研究を通じ、国境を越えたネットワークを築くことができました。プライベートにおいては、日本とは違う多様性のあるライフスタイルを知りました。家族構成も仕事の在り方も人それぞれ。お互いが多様性を認め合い、人との違いはidentityとして大切にする文化。米国の文化に引っ張られるように我が家も家族で行動する事が増え、どれだけ忙しくても個人や家族の存在を大切にする人生の在り方を学ぶ機会にもなりました。

夢と希望を持つこと

日本に帰ってから第2子が産まれ、今は臨床・研究・家事育児で多忙な日々を送っています。正直、全てをこなすのは大変ですが、それでも前を向けるのは、やはり芯となる信念があること、そして周囲の助けのお陰だと思います。職場や家族の理解と協力があっての自分だと、日々痛感しています。最近は子供も大きくなり、労いの言葉をかけてくれるようになりました。一緒に過ごせる時間は短いですが、日々の成長が本当にありがたく思います。
マズローの欲求5段階説によると、人間の最上位の欲求は「自己実現」だそうです。なりたい自分に向かってなら不思議と力が湧いてくるでしょうし、自己実現まで達成できたならばこの上なく満ち足りた幸せな人生になるかもしれません。私の周りにも沢山いますが、夢に向かって絶え間ない努力を積み重ねている人は素敵ですよね。
私の場合の自己実現は、家族全員が元気で、放射線科医として臨床も研究も頑張りたいという欲張りなものですが、これからも真実を見極める眼を鍛え、一つでも多くの希望を現実にすべく精進していきたいと思っています。


仲良し兄妹
年が離れているせいか、とっても仲の良いお二人さん。慌ただしい日々ですが、二人の笑顔と成長が私の活力になります。子供達や子育てから学ぶ大切な事もいっぱい。

 


趣味のベランダ園芸
手作りのスプリンクラーシステムで水やりの心配はご無用。ライトアップで帰宅後も癒されます。アゲハやオオスカシバ・・昆虫好きの息子にも好評です。

 

 

 


“信は力なり”
これから人生の岐路に立たされる場面が多くなる頃。大きな挑戦に挑む事もあるでしょうし、逆境にさらされることもあるでしょう。そんな時大切なのは、諦めずに努力を積み重ね続ける忍耐力と、自分を信じる力だと思います。どんな時も強い心をもって一歩一歩前を進んでいきましょう。その先に成長した自分がきっといるはず。また良い仕事はたった一人で成し遂げるものではありませんので、周囲への感謝を忘れない広い視野も大切ですね。