京都大学男女共同参画推進センター / Kyoto University Gender Equality Promotion Center

コラム

学びを深めるうちに変わった夢
将来の選択肢は無限大

吉田 優 YOSHIDA Yu

公共政策大学院 修士課程 修了
法学部 卒業
河瀬高等学校(滋賀県) 出身
日本経営システム株式会社

何かに打ち込んだ経験がある人間は強くなれる

幼いころ、私は極度の人見知りでした。「同年代の友達と一緒にグループレッスンを受けさせたい」という両親の意向で、3歳からエレクトーンを始めました。エレクトーンはさまざまな音色やリズムを自分で作り出すことができ、“一人オーケストラ”とも言われる楽器です。自分の好きな曲を弾けるようになったことも嬉しく、やればやるほど奥深いエレクトーンの魅力に夢中になってしまいました。高校生になってからマネージャーとしてハンドボール部に入部しましたが、「エレクトーンの練習日と被るから」という理由で辞めました。大学でもエレクトーンサークルに入りますが、こんなに一つのことに夢中になったのは、後にも先にもエレクトーンだけです。人見知りだった自分を変えてくれ、弾くことに喜びを感じ、受験生の時に勉強の息抜きにもなり、それと同時にエレクトーンに打ち込んだことで集中力や継続力、表現力なども鍛えられたように思います。部活でも勉強でも、何かに打ち込んだことがある人は、努力や継続することの大切さを知っていると思います。この先何があっても心が強いと思います。

弁護士になりたくて志した京大法学部

エレクトーンに熱中していた私ですが、将来の夢は弁護士でした。親が経営している会社の関係で弁護士という存在を知り 、「かっこいい。私もなりたい」と思いました。弁護士になるためには、大学で法学部に行かなくてはなりません。大学受験は早くから意識し、中学3年生の時には京大の中学生向けオープンキャンパスへ友達と参加しました。大学というものに触れたのはその時が初めてでしたが、学生がのびのびと勉強している雰囲気に、「自由な雰囲気でいいな」という漠然とした憧れを持ちました。それ以来、進学先として京大を意識するようになりました。
私はどちらかといえば理系科目の方が得意で、国語よりは数学の方が好きでしたが、法学部に入るために高校では文系クラスを選択しました。本格的に志望先を京大と決めたのは高校2年生の時です。滋賀の実家からも近いし、何より神社仏閣や古い町並みが残っている「古都・京都」で学生生活を送りたいと思いました。明確な目標ができたことで、受験勉強にも身が入り、受験生生活も楽しみながら頑張れたと思います。

海外での経験を通じて大きく広がった視野

念願の法学部に入学した後は弁護士を目指して勉強をしていましたが、その夢が大きく変わる出来事がありました。3回生の夏に、現地のNGOによるタイの少数山岳民族の支援にボランティアとして参加したことがきっかけで、開発支援や国際協力に興味を持つようになりました。国際法を学べるゼミを選択し、4回生の時にはJICAのプログラムでインドネシアに3週間程度行きました。海外での体験や勉強を重ねるうちに視野が広がり、途上国支援に携わるような仕事がしたいと思うようになりました。学生のうちにより多くの経験を積んだ上で将来の選択をしたいと考え、自身の関心分野について学ぶことが出来る京大の公共政策大学院に進学することにしました。そして大学院1年目の夏に二度目の転機が訪れます。パレスチナでインターンシップを行い、産業廃棄物処理や観光振興、工業団地建設などさまざまなプロジェクトについて学ぶうちに、途上国支援においても政府だけではなく、民間企業が大きな役割を果たしていることに気づきました。公的な機関にこだわる必要はない、「民間企業へ就職するという道もあるのだ」と考え始めました。

幅広い問題に対応できるコンサルタントとして

一択しかないと思っていた将来の選択肢ですが、京大で勉強を深めていく中で、いろいろな選択肢があることに気づくことができました。民間企業への就職も視野に入れて企業説明会に行くうちに、企業が抱えている問題を解決するコンサルタントという職種を知り、「面白そうだ」と感じました。ただし、コンサルタント職は激務で、スキルを身につけたら他社に転職しキャリアアップするというイメージがあり、自分に務まるだろうかと考えていたところ、新卒しか取らない、自分の会社で長期的にコンサルタントを育成するという会社と出会いました。それが、いま私が働いている日本経営システムです。専門分野を絞るコンサルティング会社も多い中、分野を絞らずどんな問題にもクライアントと協同作業で問題解決を図る事業モデルに共感し、私は経営コンサルタントになりました。問題を体系立てて考えることは、大学時代の法律の勉強とも通ずる部分があります。全く専門分野と関係のない会社に就職したと思われるかもしれませんが、物事を体系的に考える力は、大学での勉強を通じて身に付けることができたと思います。現在、弊社は海外の仕事も頑張ろうとしている段階なので、国際を志す身としても、将来的には挑戦したいと考えています。

将来の夢

多面的な問題解決のプロ

コンサルタントという職種は、専門的な分野に絞っているからこそ強みを発揮できる面もあると思うのですが、実際のコンサルティングの現場では、当初依頼を受けていたテーマとは違うところに真の課題が存在することもあります。特定の専門領域に分野を絞らないコンサル会社に入ったからには、人事やシステムなど複数の領域に精通し、多面的に問題を捉えられるコンサルタントになりたいと思っています。


高校でしか出来ないことを大事にして下さい。勉強や部活、学校の行事、習い事など、何でも構わないので、自分が打ち込めることを見つけて、一生懸命やっておくことをお勧めします。京大はよく自由と言われていますが、自由だからこそ、どのような勉強がしたいかを自分で決めなくてはなりません。「自分で考えて行動すること」が大事になってくる学校です。