京都大学男女共同参画推進センター / Kyoto University Gender Equality Promotion Center

コラム

自由な学風で学んだことは
自分で決めることの大切さ

近松 智子 CHIKAMATSU Tomoko

経済学部経営学科(当時)卒業
ドイツ International School of Düsseldorf e.V.出身
有限責任監査法人トーマツ

国際バカロレアで育んだ、考える力

父の仕事の都合で、中学2年生の冬に家族でドイツのデュッセルドルフに行くことになりました。中学校は、日本人学校で義務教育を受けましたが、高校はインターナショナルスクールに進学しました。
デュッセルドルフは古くから日本企業の進出が盛んなため、このインターナショナルスクールには日本人が多く在籍していますが、50以上の国や地域をルーツとする子どもたちも通っています。この学校では国際的な教育プログラムである「国際バカロレア」を採用していました。国際バカロレアの大きな特徴は、最終試験だけで評価するのではなく、2年間のカリキュラムの下、選択した6科目の成績に加え、期間中に取り組んだスポーツやボランティアなどの活動や、小論文やディスカッションの成果を総合評価する点です。
私にとって最も衝撃的だったのは、それまで大嫌いだった数学が「面白い!」 と思えたことです。国際バカロレアのカリキュラムの下で学んだ数学は、ただ計算問題を解くだけでなく、例えば「ある数式が実生活でどのように役に立っているか」について論文を書くような授業で、ただ公式を覚えるだけでなく、それを使って「考える」という力が身についたように感じます。

チャンス到来! 私でも京大を受けられるかも!?

国際バカロレアでは、カリキュラムを修了し試験を受けると、国際的な大学入学資格である国際バカロレア資格が取得でき、世界中の大学に進学することができます。私の場合、海外で具体的に学びたいことがなく、また父の帰国が決まっていたので、帰国して日本の大学に進学することにしました。大学について調べていた時に、京大は当時日本では知名度が低かった国際バカロレアを評価している大学で、帰国子女枠で受験が可能であることを知りました。もし日本の高校に進学していたら……私には京大は難しすぎてチャレンジすらしないような、雲の上の大学だったと思います。でも、帰国子女枠では、高校の成績に加えて小論文と面接だけで受験ができるため、「これはチャンスだ! 挑戦してみよう!」 と思って受験することにしました。帰国してから半年ほどは予備校の帰国子女プログラムに通い、受験に必要な小論文の書き方を学びました。念願叶って京大の経済学部に合格した時は本当に嬉しかったです。

講義で出会った簿記に魅了!
3回生で公認会計士試験に合格!

経済学部は帰国子女枠で受けられた学部だったこともありますが、資格がとれる学部であったことも志望理由の一つでした。私の両親は共働きで、母が働いている姿を見ながら育ったので、将来自分が社会に出て仕事をする時は結婚や出産後も自分のペースで働きたい! と思っていました。そのためには大学で何らかの資格を取得する必要があると考えました。今もあるかどうかわかりませんが、当時は1回生の時に経済学部と法学部生を対象とした、大原簿記法律専門学校による簿記3・2級の授業を、大学の講義として受講できました。大学の講義でテキストが手に入って、資格も単位も取得出来るなんて、「ラッキー」と思って受講したら、これが意外と面白い! 自分に合っている科目だと思ったんです。そして受講を続けるうち、ビジネスの基礎となる会計の面白さを知り、会計の専門家である公認会計士の資格を取ろうと心に決めました。そこで、大学と予備校のダブルスクールをしながら公認会計士を目指して猛勉強しました。公認会計士試験の勉強にこれだけ打ち込めたのは、 やりたいことをやらせてくれる『自由な学風』のおかげだと思います。

家庭と仕事を両立しながら、監査のプロへ

3回生の夏に公認会計士試験に合格し、すぐに大手監査法人の一つである有限責任監査法人トーマツで非常勤職員として働き始めました。大学卒業後もそのまま正社員として入社し、日本企業の監査に従事しています。この仕事では、入社時から一人のプロフェッショナルとして、判断することが求められますが、京大の自由な学風のもとで身につけた、自分で考えて決める力が役に立ちました。現在、私は育児休暇を取得していますが、休職前はシニアスタッフという職位で、現場責任者として業務に従事しており、ますます、自分で責任を持つ、自分で考えて行動することの大切さを強く感じました。将来的に仕事に復帰する際には、家庭と仕事の両立を図りながら、公認会計士としてキャリアアップを重ねていきたいと考えています。

将来の夢

仕事と家庭の両立

家庭も仕事も両方、私の人生に必要であり、大切なものです。
今は3才と1才の男の子の育児中。ふたりとも手がかかるやんちゃ盛りで毎日大変なため育児をメインに置いていますが、今後もう少し手が離れたら、まずはキャリアが途切れないレベルで仕事に復帰し、その時々の自分がやりたいことに合わせて柔軟に、仕事の占める割合を変えていければいいなと思っています。


大学生になると、やりたいことを自分で決められるようになります。高校生までは育ってきた環境によってある程度選択肢が限られていたり、何かを決める機会も少ないですが、大学生になってアルバイトをしたり、新たな人と出会うことで自分の選択肢は確実に広がります。自分で決断する力も育つので、あとはもう自分次第。それが楽しいですよ!